汝自身を知れ(ギリシア語: γνῶθι σεαυτόν ( グノーティ・セアウトン )、英語:Know thyself)は、デルフォイのアポロン神殿の入口に刻まれた古代ギリシアの格言です。
さて、話は変わりますが、宿命と運命の違いは何でしょうか?
宿命とは「宿る命」
生年月日や、生まれた場所、両親、兄弟、などなど、変えられないもの。
運命とは「運ぶ命」
生まれたあとに、決まるものであり、その人自身の自由意志の結果によるもの。
宿命を言い換えると、「拘束するもの」「避け得ないもの」ともいえます。
そして、これがあるからこそ、逆説的ではありますが、同時に「自由」というものも存在できるのです。
自由というのは、何事においてもある種の制限の中でしか存在しえません。
たとえば、月曜日から金曜日まで、朝から晩まで仕事があるという制限があるからこそ、月曜日に遅く起きて、昼まで寝ているときに果てしない自由さを感じます。
日中は車がびゅんびゅん走っているからこそ、深夜に車が1台も通らない国道の真ん中を堂々と歩くと、とんでもない自由さを感じられるのです。
そうすると、自由を自覚するためには、
まず、自分に課せられている制限、束縛といったものを意識する必要があります。
そうして初めて、間違った努力至上主義(努力すれば大抵のことは叶う)や、
想念至上主義(特定の思いを自分の心に吹き込むことで何でも可能)に消費される存在にならなくてすみます。
人生のプラス面、マイナス面とも、同質、同量、同時刻に起きていること。
そして、自分がいかに制限され束縛を受けている存在であるかを、十分に知っておくことはとても大切なことだと思います。
アメリカの神学者であるニーバーの祈りの最後にこんな文章があります。
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"Father, give us courage to change what must be altered, serenity to accept what cannot be helped, and the insight to know the one from the other."
神よ、 変えなければならないものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを我らに与えたまえ。
そして、変えなければならないものと、変えることのできないものとを識別する洞察を与えたまえ。
ラインホルト・ニーバー /Reinhold Niebuhr (1892 – 1971)
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変えなければならないもの(運命)を変える勇気。
変えることのできないもの(宿命)を受け入れる人としての器。
運命と宿命を見極めることができる、洞察、叡智を・・・と言っているように感じます。
変えられないものを変えようとする無駄な努力を止め、
むしろ、自己知、汝自身を知ることに重きを置くことで、人生が切り開かれていくのかもしれません。
私も、算命学やジョーティッシュ(光の叡智、インド占星術)を通して、
自分自身の宿命と運命を知ることで、大きく人生が変わってきました。
海の中でも、えら呼吸できるようになった感覚とでもいうのでしょうか。
今までは、苦しくてしょうがなかったことが、自分自身の認知が変わっただけなのに、えら呼吸して、海の中の光の輝きや美しさを感じている・・・そんな心地です。
今日も、みなさまと分かち合える喜びに心から感謝いたします・・・。